!important02 秋葉秀樹さんセッション
ディレクション時に頭に入れておきたいこと
Web/IT業界における、オフショア開発に安さで勝負しない日本人のありかた
株式会社ツクロア(筑波大学非常勤講師) 秋葉秀樹さん
クライアントを満足させるのはあえてやめろ
「クライアントでOKをもらったから」は答えになっていない
クライアントはデザインに関して素人なので感覚や好みで注文を付けてくるが、デザイン面で根拠がなければ意見すべし。デザイナーはデザインの専門家であり、スキルや経験は私たちの方が圧倒的に上だから。
逆にデザイナーはクライアントのビジネスに対して素人。素人である強み(クライアントのお客の感覚に近い)を生かして問題を洗い出す。
いかに両者がお互いの「懐」に飛び込んで話せるか?互いの境界線を越えると、問題解決の糸口が見つかる。
”その場”で意識共有。”持ち帰り”は極力やめる
ミーティングは勝負。話し合ったことはその場で絵に描いて、全員で共有し認識のズレをなくす。できる限りその場で考えられることは考えて、問題解決の遅れを防ぐ。
疑われることはチャンス
ミーティングでクライアントに意見ばかりしていると本当に大丈夫かと疑われるが、それは相手の考えにないことを提案できるか試されているということ。どんどん提案してチャンスをつかめ。
memo
クライアントに嫌われても言う…くらいの覚悟を持つと、いいお客さんとお付き合いできる
受託案件は見積もれないのが当たり前
常に社会や人が変化する中で、受注時から納品日までの間に事情が変わることがある。デザイナーはそのような事情に対応しなくてはならないし、納品後もメンテナンスが求められる。
クライアントのサービスが成長すればデザインも成長が必要。その為にも契約を、スタート時とその後のメンテナンス期に分けて考える。最初は小さくスタートし、納品後もバージョンアップで更なるクオリティ向上を図る予定でいく。
最初から全てうまくいくわけがない。絶対ない。
memo
「3回目の修正から有料ね!」などと言うと、クライアントの思考を停止させてしまう。何度でも一緒に考え対応するが、その代わり直ぐ対応はできないことを伝える。週に1回ミーティングを行い、それまでにお互い考えてくるようにする。
スキルを持ちすぎると危ない
今やアプリケーションの進化で画像も動画も音楽もつくりやすい(スキル的にも価格的にも)。そんな中で求められるのは、スキルを超えた「問題解決力」。
画面デザインだけではない、広い世界が待っている
ブラウザで家電も作れる時代。何でもできる。
発注者の方へ、よいデザイナーの選び方
デザイナーに「とりあえず3案出してください」というお願いは、はっきり言って無駄。結局根拠がなくて決められないか自分の趣味で選ぶことになり、コンバージョンにつながらない。
良いデザイナーと出会いたければ、あなたの事業への思いをデザイナーに語ってみて、デザイナーが何を感じたか素直に聞いてみる。そのリアクションで判断してみて。
まとめ
日本で100万円かかるものも、オフショアすればその1/4で済む。
でも
私たちは日本の文化を知っている。
日本人にどうアプローチすればいいのか知っている。
もう安さで勝負しない